『南からの便り』

『カズからマキへ最後の言葉』

シャワーとスキンケアと掃除機がけとクイックルワイパーがけを済ませ、洗濯物を浸け置きしている間に集合ポストのチェックに行った。

大きめの封筒が一つ。

確かに買い物はしたが、確か届くのは最短でも明日以降のはず。

切手代わりの印紙を見る。

なるほど。
南の街の名前があった。

突然音信不通になって早くも一月か。

相変わらず君らしいと言えばらしいけども、一つ私の方も決めた事があるんだ。

君が望む望まないにかかわらず、私は君と決別します。

多分もうじき届いてしまうであろう、クリスマスのプレゼントが私からの最後のプレゼント。
辛うじて宛先を失くさなかったプレゼント。

そしてそのプレゼントの前後に、君が私に預けた『腕時計』を返送します。

君にいろいろ大変な事が有り、いつもみたいに『負けて』いた事も容易に想像出来ます。

そしてその場面で、私は『全く必要のない存在』である事が嫌と言うほど知らされました。

お返しする腕時計は、もっと君に相応しい方に持ってもらうと良いでしょう。

君と過ごした日々は足掛け何年になりますか。

いろいろありましたね。
大きな悲しみも。

互いの過ごした日々には、嘘も後悔もなかったと信じています。

だから嫌なメモリーになる前の今、『さよなら』です。  

実際には返送される腕時計に添えた短な手紙が最後の言葉になるでしょう。

もう南の街に想いを馳せる事もありません。

ありがとう。
お元気で。
さようなら、
愛しかった南の街。
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空の欠片

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