No.0339

『遠い夏の日』


むせかえるような
草いきれ

傾きだした影と
君が押す自転車

校舎から聞こえる
アルヴァマー序曲が

少しずつ
小さくなる

何もかもが
輝いていた

遠い夏の日は
もう戻らない

空の欠片

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