No.0600

『最後の僕が消える時』

逝くものは
何も持っては行けないの

いつだって想いは
残る側が守り持つもの

だけど
その仕組みに抗って

風の痕を
あちこちに刻んだの

そんな僕の言霊宿る
言の葉綴られた文字列たち

それを守り持つ
残った側の人たちも減り

最後の僕の言の葉を
知る人が逝ったとき

本当の意味での
私が消えるのね

仕組みに抗った私が
本当に消える最期なの

なんて意地らしく
強かで小さきものかしら

光の中にさえ
存在出来ないものになるの

やっとやっと
仕組みの一つに帰るのね

長い旅路も
終わるのね

《Newly&Last written》

空の欠片

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