No.0489

『懐旧』


長い休みが明け
動き出す街の片隅

乾いた冷たい風に
眩い朝の光

佇む影に
いつかの自分と

憂いを帯びた
あの人の幻を見る

吐く息の白さに
忘れたはずの時間《トキ》を想う

車椅子の車輪の重さが
今の私の全て

記憶の果てで
二人仲良く遊んでればいい

空の欠片

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