No.0330
『遠い夏』
一つの時代が
終わろうとしていた
最後の夏は
遠い夏
回り続ける
室外機
避けるよに過ぎる
雷雲も
消えた
蝉時雨も
車椅子に
もたれて眺める
入道雲や
そんな日々が
更に夏を
遠ざけた
最後の夏は
遠い夏
私の夏は
遠い夏
空の欠片
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