No.0098
『熱量』
思い合う二人
その熱量の差が
ときにひび割れを作り
やがて亀裂になって
二人の未来や夢の
終焉を招きもする
だがしかし
互いの熱量が
同じだなんて
そんなことは
そうそうないし
そんな簡単に
測れるくらいなら
そもそもバツなんて
ついてない
身障者になった今
それを理解した上での
想い人の存在が
生きる希望なんて
大袈裟なものではなく
互いの
日々に寄り添う
静かで穏やかな
熱量であったなら
それが全てで
あっても良いのだ
会える距離でなく
一緒に暮らせる訳でなく
それでも心は
寄り添って
泣き虫なその人が
泣いていたなら
私はそっと寄り添い
見守るだけでいい
連綿と続く
その日々の果てに
何があるのかは
知る由もない
だから二人で探す
旅を楽しめばいい
ただただそう思い
ただただそう願う
静かで穏やかな
熱量で
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