No.0013
『乖離』
もっと前向きでと
なんの担保も示さずに
彼はにこやかに
そして勝ち誇ったように
笑って言った
外野の声など気にしない
僕の心はダイヤモンドだから
傷付かないとも彼は言った
ああ
昔は僕も
そんなうたを
うたったっけ
今の彼は
この世界のことわり
その中でしか
生きられないのだろう
彼らの見る夢に
もう追うものはない
地球(ほし)が見る夢
それはどんなだろう
宇宙(そら)が見る夢
それはどんなだろう
僕はそこに行きたいんだ
人間なんてちっぽけなものが
見る夢なんかじゃなく
宇宙(そら)が見る夢の中に
欠片にも満たない
小さな小さなモノでいい
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